海外駐在員の転職メリット
収入が上がる、手当がある、生活の恩恵がある、言語力が上がるなどのイメージがありますが、ここでは、海外駐在中の勤務をとおして、現地で得られるスキルや、その先のキャリアを意識したメリット7点を取り上げます。
1.人脈の形成
海外駐在時に日本在住では得られない人脈が得られる、というのは当然のことですが、パーティーや勉強会などの会社以外の社交的な場に積極的に出ていって、人脈作りをする姿勢が必要です。
一方、日本でビジネス展開をしたいと考えている外国人も一定数いらっしゃいますので、その方と繋がっておくと将来的にかけがえのない人脈となるかもしれません。
2. グローバルな視野や感覚
「グローバル」「異文化理解」とよくいわれますが、これが本当にできる方はとても少ないです。そもそも、全く異なる相手を理解すること=相手の考えを慮る(おもんばかる)ことから始まります。これは相手が日本人であっても難しいものです。
しかし海外に駐在したり、日本であっても外国の方々と仕事をしたりすると、グローバルな視野や感覚が身に付きます。つまり、異なる歴史や文化から来る考え方や慣習を理解し、それに合わせて行動する能力が鍛えられます。
たとえ日本人を相手にした仕事が非常にできる方であっても、海外赴任先で、日本でのやり方を推し進めてしまうのもNGです。まず現地のやり方を理解し、尊重することが重要で、これが自然にできることが必要です。もし自分の方が正しい、やり方を変えたい、と感じた場合でも、まずは現地のやり方がそうなった背景や経緯を知るところから始めるべきです。ベースはあくまでも現地。植民地化するわけではなく、現地でいかにうまく運営していくかという点を理解することが重要です。
この感覚が身に付くと、あとはどの国でもどの職場でも、スムーズに仕事が進められるようになるでしょう。
3. 働き方への考えの変化
今でこそ、日本でも時間外労働に対する考えが変わりつつありますが、残業前提の働き方、上司が帰るまで自分は帰れないという雰囲気が日本の会社にはあります。
しかし海外のオフィスでは、そのような働き方は「無能」とみなされます。つまり会社は、各従業員のスキルや実績を鑑みて就業時間内に終わる分の仕事を与えているのに、残業しないと終わらない=スキル不足または日中さぼっている、という風に思われます。また時給制ではないので、短時間で高い成果を上げることに焦点を当てています。
「就業時間内で仕事を片付け、残業しない前提で仕事をする」、「明日でも良い仕事は明日行う」、また「その仕事が本当に必要な仕事かを見極める」、すなわち効率よく働くための感覚が養われ、そのスキルが鍛えられます。
4. 今後のキャリア形成に有利
ほとんどの場合、管理職やマネージャー職として海外駐在を命じられます。しかし、職場での言語や習慣、価値観の違い、慣れない現地生活といったプライベートの変化も含め、日本で同職を遂行するよりも困難なことが多く、マネジメント能力が飛躍的に向上することが期待できます。
いずれの企業であっても、40代~50代の人材に求めるのはマネジメント能力と、特定分野のスキルに特化していることです。その観点では、海外勤務経験者は、すでに両方を身に付けているといえます。
また、繰り返しになりますが、異文化理解=相手の考えを慮る(おもんばかる)ことができる人材という印象もあるので、それはもちろん、日本において仕事をするうえでも活かすことができる人間性としても評価されます。
5. 人材マネジメント能力の向上
ほとんどの場合、管理職やマネージャー職として海外駐在を命じられます。しかし、職場での言語や習慣、価値観の違い、慣れない現地生活といったプライベートの変化も含め、日本で同職を遂行するよりも困難なことが多く、マネジメント能力が飛躍的に向上することが期待できます。
現地で成果を上げることができた海外勤務成功者は、「厳しい環境でも結果が出せる人」、つまり帰国後、たとえ海外勤務でなくとも、国内でも、「厳しい環境や逆境であっても結果を出してくれる人」と認識されます。これにより、帰国した際にさまざまなキャリアの機会が増え、海外勤務の最大のメリットともいえます。 これは、現在の転職市場において、もっとも注目される能力のひとつです。
6. 判断力の向上
海外に赴任すると、日本の現職よりも職位があがり、任される範囲が広がることが多いです。例えば、海外現地法人の社長、ダイレクター、工場長といった職位を指します。
裁量がある一方、当然、責任が重いので、慎重にならなければいけない反面、自分の判断がないと仕事が進まないので、日々、重要な判断をくだして、現地法人を動かしていくという繰り返しになります。 ここで得た経験を、帰国命令が出たときに活かすことができます。
7. 現地で経営や工場のマネジメントに携わる経験
主な業務内容と責任の範囲は下記のようなものとなります。経営難になった際に、固定費削減のために人員整理をするなど、日本の会社では容易にできないリストラを断行せざるを得ない場面もあります。
経営者の場合
売上・利益目標の達成
販売戦略策定
固定費管理
組織編制(増員/人員整理)
工場のマネジメントの場合
製品の原価低減
製造工数低減
品質体制の構築
固定費管理
組織編制(増員/人員整理)