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海外転職とは
海外転職といっても、さまざまな就業形態が存在します。日本法人に雇用されながら海外に駐在する「海外駐在」、海外出張ベースで海外で働く「海外関連事業ポジション」、また現地法人での採用となる「現地採用」です。ここではそれぞれの就業形態に関して説明します。
海外求人の就業形態について
| 現地採用求人 | 日本法人における | 海外駐在求人 |
雇用元 | 海外現地法人 | 日本法人 | 日本法人 |
勤務地 | 自分の意志で選択 | 日本本社 | 辞令による |
待遇 | 海外現地法人に準拠 | 日本法人に準拠 | 日本法人に準拠+赴任手当 |
その他 | 当該勤務国においてVISAの取得要件を満たす必要あり | 海外出張ベース | ・任期をコントロールできない場合が多い |
海外駐在求人
条件面が手厚く、希望する人が多いのが海外駐在員のポジションとなります。基本的には日本本社側での採用活動が進むことが多く、採用元も日本本社となることが多いです。JAC Recruitmentにおいては、JAC Recruitmentの日本法人で取り扱っています。前述のとおり、世界中の駐在員の数は減少傾向にあるため、常にアンテナをたて、時間をかけていい出会いを探す必要があります。
また、条件面が手厚い一方で、任期や赴任地は辞令によるため、自分で任期や赴任地を決められないという点、入社後一定期間は日本勤務のケースが多いという点も覚えておきたいポイントです。
日本法人における海外求人
海外関連業務にまつわる求人となります。日本法人採用で、勤務地も基本的には日本で勤務することになります。営業であれば、海外営業、管理職であれば、海外子会社管理といったポジションが一例です。日本での勤務がベースではあるものの、海外拠点と密にコミュニケーションを取りながら、海外出張ベースで仕事をおこなうポジションとなります
現地採用求人
雇用元が海外現地の法人となるため、勤務地は自分で決めることができます。また待遇も海外現地法人に準拠することになります。ただ、勤務国によってはVISAの取得条件を満たす必要があることもポイントです。
海外現地採用におけるキャリア。現地採用から駐在員への切り替えも。
現地採用は、以前は額面の給与額が大幅に減っても、物価水準や生活・職場環境により日本よりもいい生活ができることが魅力の一つでした。もちろん、そうした魅力は存在しているものの、JAC Groupのサラリーアナリシスによると、以前は特にギャップがあった東南アジア各国でも直近10年以内で、内外差が縮まってきています。
加えて、海外現地採用におけるキャリアそのものに関しても変化がありました。現地化の影響もあり、海外現地法人におけるポジションが多様化しています。また海外に身を置いて働くことによる語学力(英語力)の向上、海外におけるマネジメント経験、こういったものを武器にして、現地採用から、海外駐在員にステータスが切り替わってフィールドを広げる方、あるいは海外において、さらに上級職、拠点長のようなポジションに昇進・転職をされる方も増えてきています。以前と比べると、海外現地採用であっても個人のキャリアデベロップメントも期待できる環境となっています。
海外転職に英語力はどの程度必要?
国によって求められる英語力は異なるものの、語学力が高いほど目指せるポジションも増える
海外転職においては、多くの場合、英語や現地語を使いこなせるようになる必要があるでしょう。現地スタッフとの日常会話はもちろん、業務上必要な顧客とのコミュニケーション力も必要になります。どの言語を、どのレベルで求めるのかについては、国・企業によって異なります。また、海外転職イコール英語面接必須という訳でもありません。選考上は、日本語面接のみで完結するポジション・企業もあります。
ただ、表面上「語学力不問のポジション」であっても、「語学力がなくてもよいが、あれば尚よい」という意味合いがほとんどです。語学力が高いほど、目指せるポジションが増えるのは言うまでもありません。
海外で働きはじめれば、言語能力は必要に応じてレベルアップしていくものですが、応募する時点で求められる水準には到達していることが望ましいでしょう。
海外転職に必要な英語力とは?
日本とは違い、海外ではあらゆる場面で英語を使う
日本国内での勤務の場合、日系企業の海外関連部署であれば、海外のカウンターパートとのコミュニケーションや海外出張時に英語を一時的に使うことが主になるでしょう。外資系企業に勤務しているならば、社内公用語(業務上のアナウンスや、社内会議など)が英語となり、上司・同僚・部下とのコミュニケーションにも英語が求められるケースも多いでしょう。
海外勤務の場合、使用機会が業務(社内・社外)上に留まらないことが特徴です。
多くの場合、海外生活をする際には、住まいの契約、銀行口座の開設、各種公共料金の支払い、各種トラブル対応、病気やケガの際の通院など、さまざまな生活場面において、日本語以外の言語でのコミュニケーションが求められます。そのような時に、最低限のコミュニケーションがとれたり、大きな問題が後に発生しないよう内容をしっかり確認したりすることができるレベルの語学力は、必要不可欠となります。生活が安定しない中、仕事だけは活躍するというケースもゼロではありませんが、「ある程度、自立できるか否か」は、現地で採用しようとする企業は気にするポイントとなるでしょう。
海外転職には英語だけではなく、現地語も必要となることも
通訳や翻訳業務、カスタマーサポートといった職種のように、高いレベルの語学力自体が職務遂行上、必須になるケースがあります。しかし一般的には、あくまで自社が求める職種において業務を的確にこなせる人物であり、英語だけできる人が求められるわけではありません。
海外だからといって英語力が全てではありません。転職活動だけでなく、就業後に生活していくためにも、現在の仕事での実績を積み重ねながら、補完的に英語力を身に付けることができるとベストといえるでしょう。
海外転職にTOEICの点数は重要?
TOEICスコアが高い場合、海外転職においては原則的に有利となります。そもそも、日本国内の業務における語学力の要求場面と海外での要求場面には大きな違いがあるからです。
公用語が英語の国(イギリス・アメリカ・シンガポール・インドなど)はもちろんですが、現地語が公用語の国(ドイツ・インドネシア・ベトナムなど)においても、ビジネス上は英語使用が一般的です。現地語ができると確実にアドバンテージにはなりますが、多国籍の勤務環境下においては、やはり英語でのコミュニケーションが求められます。
海外転職の際は、自分自身の現在の英語力を鑑みて、チャレンジする転職先を検討するのも一つの方法です。海外で働いたり、生活することで、英語力は伸びます。ファーストステップとしてアジアの国々で鍛え、セカンドステップとして欧州を目指す方も、実際には存在します。
日本国内勤務の方の英語使用場面
日系企業の国際関連部署であれば、海外のカウンターパートとのコミュニケーションや海外出張時が主になるでしょう。また外資系企業に勤務しているならば、社内公用語(業務上のアナウンスや、各種システムのインターフェース、社内会議など)が英語となり、上司・同僚・部下とのコミュニケーションにも英語が求められるケースも多いでしょう。
海外における英語使用場面
使用機会が前述の業務(社内・社外)上に留まらないことが、特徴です。
しっかりとしたモビリティサポートがある企業内で駐在員として赴任する場合を除き、海外で生活をする際には、住まいの契約、銀行口座の開設、各種公共料金の支払い、各種トラブル対応、病気やケガの際の通院など、さまざまな生活場面において、日本語以外の言語でのコミュニケーションが求められます。そのような時に、最低限のコミュニケーションがとれたり、大きな問題が後に発生しないよう内容をしっかり確認したりすることができるレベルの語学力は、必要不可欠となります。
生活が安定しない中、仕事だけは活躍するというケースもゼロではありませんが、「ある程度、自立できるか否か」は、現地で採用しようとする企業は気にするものです。
補完的に英語力を身に付けることができるとベスト
多くの海外法人が必要としている人材のうち、通訳や翻訳業務、BPOにおけるCSといった職種のように、高いレベルの語学力自体が職務遂行上、必須になるケースもあります。しかし一般的には、あくまで自社が求める職種において業務を的確にこなせる人物であり、英語だけを巧みに操れる人材が求められるわけではありません。
海外だからといって英語力が全てでは無いため、転職活動だけでなく、就業後のサバイバルのためにも、現在の仕事での実績を積み重ねながら、補完的に英語力を身に付けることができるとベストです。
入社後にどれくらいTOEICは重要視されるのか?
海外転職に成功し、実際に入社した後、TOEICのスコアはどれくらい重要視されるものなのでしょうか。
日本国内で年に1~2回、TOEICを実施する企業では、そのスコアが昇進や海外赴任を目指す社員の指標となる場合があります。しかし海外拠点においては、ほぼ意識されないのが実状です。実際の業務上どの程度の英語が使えるか、という点が、普段からクリアに見えるためです。
国や企業によりますが、海外勤務開始時は、実際の英語力は基準に満たない場合でも、入社後、本人の努力でスキルアップできていけば問題ないということが多いです。
海外転職に必要となるTOEICスコアの目安は?
ここでは、各国で求められる英語力の水準について、TOEICスコアをベースに概観していきます。ご自身の語学力という観点から、挑戦可能性が高いかどうかを判断いただく参考にして頂ければと思います。
下記の表は、欧州・アジアで目安となる点数を一例として一覧化したものになります。公用語が英語の国(イギリス・シンガポール・インドなど)はもちろんですが、現地語が公用語の国(ドイツ・インドネシア・ベトナムなど)においても、ビジネス上は英語使用が一般的です。現地語ができると確実にアドバンテージにはなりますが、多国籍の勤務環境下においては、やはり英語でのコミュニケーションが求められます。
海外転職の際は、自分自身の現在の英語力を鑑みて、チャレンジする転職先を検討するのも一つの方法です。海外に出れば英語力は伸びます。ファーストステップとしてアジアの国々で鍛え、セカンドステップとして欧州を目指す方も、実際には存在します。
国/地域 | TOEIC |
イギリス・ドイツ・欧州 | 800 |
シンガポール | 750 |
マレーシア | 700 |
インド | 650 |
タイ・インドネシア | 600 |
ベトナム | 550 |
海外転職のプロセス・英語面接におけるTOEICスコアの留意点
書類選考時
海外転職の転職活動のプロセスにおいてTOEICが意味を持つとはいえ、TOEICスコアはあくまで「英語ができる人物(だろう)」ということを証明する一つのツールにすぎません。事情をよく分かっている採用担当者からは、「TOEICの点数が高くても、ビジネスシーンでの英語使用は難しい人もいます」という声も、実際によくお聞きします。
ただし、英語力がビジネスツールのみならず、サバイバルツールでもある海外の環境下においては、採用後、本当に現地で暮らしていける人か否かを気にする採用担当者も多いです。ある程度高い得点を保持していることで、業務上・生活上でキャッチアップの素養がありそうな方であるという観点から、書類選考時にポジティブに判断される要素になります。
国や企業によっては、書類選考時に和文・英文の書類が両方で判断されるケース、もしくは、英文のみで判断されるケースもあります。その際には、見やすい英文CVの書き方についても、押さえておく必要があります。
具体的な書き方については、記事「海外転職時に必要なレジュメの書き方 ダウンロードできるサンプルデータ付」をご覧ください。
面接選考時
TOEICスコアがある程度高い場合、前述のように、転職時の書類選考において有効に機能することも多いです。しかしながら、外資系企業、また日系企業であってもマネジメントが英語スピーカーの部門のポジションに応募する場合には、英語面接を突破する必要が出てきます。そして、当然このプロセスでは、実際の会話でどの程度英語ができるのかが見られます。
欧米圏など、高い水準での英語力が求められる地域で転職される方、現地系・外資系などの企業に転職をお考えの方は、そうした英語面接の面接官が、英語のネイティブスピーカーになる事も多々あります。
英語が第二外国語となるアジア圏でも、もちろん英語面接はありますが、面接官がネイティブスピーカーの場合には、お互いが第二外国語になる場合の英語面接よりも、より高いレベルが求められる事が多くなります。
英語面接対策・ポイント
日本語であっても、面接の場では緊張してしまって思った通り話せないという事は起こり得ます。英語面接の場合には、それ以上に事前の準備や練習、慣れが必要になります。
言語は英語であっても、面接官が聞きたい内容については、日本語の場合とさほど違いはありません。
自分がどういった人間で、どういった経験を持ち、どのような強みがあるのか (自己PR)
何をしたいと思っているのか (キャリアプラン)
志望動機はなにか
入社後どのような貢献ができそうか
上記の質問は必ずといって聞かれるでしょう。英語での会話に慣れていない方は、頭の中だけでなく、一度文字としてスクリプトに落とし込み、それを声に出して読んでみましょう。丸暗記をする必要はありません。 だいたいどのような流れになるのかを、手・目・耳・口を使って予習しておくと、実際の面接場面で、ある程度再現性をもって話すことができるようになります。
海外転職の場合は、なぜその国で仕事を探しているのか?を質問されることもあるでしょう。勤務地への動機は、実際に移住をした後の満足度にも関わってきます。配偶者の異動など、不可避な必然性が無い場合は特に、何故その国なのか?についても、ぜひ事前に深く検討してみてください。
転職活動が初めての方や、転職経験はあるけれども英語面接が初めてといった方の場合、英語での面接対策はしておきたいものです。海外転職に強い転職エージェントであるJACでは、コンサルタントによるレジュメ添削や英語面接対策も行っておりますので、ぜひ効果的に活用してください。
入社前
TOEICスコアはあくまで「英語ができる人物(だろう)」ということを証明する一つのツールにすぎません。採用担当者からは、「TOEICの点数が高くても、ビジネスシーンでの英語使用は難しい人もいます」という声も、実際によくお聞きします。
ただし、英語力がビジネスツールのみならず、サバイバルツールでもある海外の環境下においては、採用後、本当に現地で暮らしていける人か否かを気にする採用担当者も多いです。ある程度高い得点を保持していることで、業務上・生活上でキャッチアップの素養がありそうな方であるという観点から、書類選考時にポジティブに判断される要素にもなりえるのです。
TOEICスコアや英語力を上げるには
現在TOEICスコアがそれほど高くない方の場合、どのようにして英語力を高めればよいのでしょうか。
TOEIC公式問題集
日本国内であれば、書店等で目標とする点数に応じた「TOEIC公式問題集」が簡単に手に入ります。TOEICテストの開発機関であるETSが、実際のテストと同じプロセスで作成された問題を収録しているので、本番の試験に則した問題が掲載されている点がポイントです。
自力で得点アップを狙うのであれば、地道な努力は必要となりますが、コツコツタイプの方には適した勉強法でしょう。
TOEIC対策講座
自分一人だけの勉強が長続きしない、日々の業務でどうしても後回しになってしまうという方であれば、社会人向けのTOEIC対策講座などもお勧めです。対策講座のリスクとしては、スコアアップが目的となるケースも多く、本来の英語力向上からやや外れ、得点アップのためのテクニック論に走ってしまう事もあり得ます。 きちんと使える英語力として身についているかを意識する必要があるでしょう。
「TOEICスコアが低い」「英語が話せない」「未経験」だと海外転職できない?
英語力がない場合は、海外転職を諦めるべきでしょうか?
TOEICなどの点数を改善し、英文CVを整え、英語面接対策をしっかり行えば、海外への転職可能性は確実に高まりますが、先に述べた通り、一部の職種を除き、「英語力がある = 仕事ができる」という公式があてはまるわけではありません。採用側の目線としては「仕事ができる+英語(語学)もできる」方を、理想的には求めています。
高いTOEICスコアが目安となるような公用語が英語の国の転職市場においては、「英語がビジネスレベル以上にできるのは当たり前+その上でしっかりとした経験がある人」がターゲットとなります。
逆に、TOEICや英語力が低めでも転職できる転職市場においては、「仕事の経験はあるけど英語力は低め > 仕事の経験はないけど英語力は高め」という図式で、評価・判断される事が多いのも実情です。実際そうしたマーケットでは、日常会話レベル未満の英語力で海外に挑戦し、面接を突破して、移住・就業開始となる方も少なからず存在します。
海外を視野に入れた奥の手としては、とにかく海外に渡ってみるというのも一手です。乱暴な話に思える方もいらっしゃるでしょうが、実際、「ほとんど全く英語ができない」状態にもかかわらず、海外就業を実現し、その後、語学力を伸ばしている方々は少なからずいらっしゃいます。
特に、20代の方などはワーキングホリデーといったスキームを活用して、通常の転職活動では門戸が狭い国に挑戦する事も可能です。
ご自身の経験業界・職種・スキルが、希望する転職市場にマッチしているのかどうか?それによって、最低限保持しておくべき英語力・語学力の種類やレベルが変動します。今の自分で挑戦が可能かどうか?どのようなキャリアを海外で実現したいのかといったポイントも含め、まずは、専門家に意見を聞いてみることをお薦めします。
職種・国別:海外転職に必要な英語力
シンガポールへ海外転職した際に求められる英語力
シンガポールでは、中華系はマンダリン (標準中国語)、マレー系はマレー語、インド系はタミル語がそれぞれの民族の母語となることが一般的です。ただ、共通言語は英語となり、ほぼ全てのシンガポール人が英語とそれぞれの民族の母語の両方を話すことができます。
ビジネスの場面でも英語が主に使用されています。公的機関でも英語が業務言語として使われており、ホームページの表記や政府からの伝達事項、公的な書類(証明書など)はすべて英語になっています。
職場の電話、メール、会議、業務連絡・指示、社外とのやり取りも英語となるため、国籍・人種を問わず、英語で業務が遂行できる点は私たち外国人にとって大きなメリットです。
営業職 | 顧客へのアポ取り、商品説明、要望ヒアリング、価格調整・交渉、見積作成依頼などが英語で問題なくできることを考えると、業務上支障のないレベルからビジネスレベルの英語力は求められます。 |
秘書・事務職 | 英語での資料作成、資料の日英・英日翻訳、駐在員や出張者の通訳、会議での通訳などが英語で問題なくできるビジネスレベルの英語力が求められます。 |
技術・専門職 | 専門用語・技術用語が英語で理解でき、ローカルスタッフへの指示・指導が英語で問題なくできるレベルの英語力が求められます。 |
カスタマーサービス、 | 社内トレーニング、レポート、ローカルや多国籍の同僚とコミュニケーションが英語で問題なくできるレベルの英語力が求められます。 |
IT関連職 | 日系企業の場合、日本語でやり取りすることも多いですが、社内コミュニケーションは基本的に英語でのやり取りとなるため、問題なく英語で意思疎通ができるビジネスレベルのレベルの英語力が求められます。 |
シンガポールでの言語や英語事情についてもっと知りたい方はこちら
タイへ海外転職した際に求められる英語力
ほとんどの方が公用語であるタイ語を日常的に話します。そのため、タイへの転職にはタイ語が必須と思われがちです。もちろん、タイ語が話せると、もちろんローカルの方々とやり取りがスムーズになり、距離感もぐっと縮まりますが、国際的な観光立国であることから、特に都市部ではタイ語が全くできなくても生活に何の支障もありません。
また、国の戦略として外資系企業の誘致を積極的に行っていることから、ビジネスシーンでは英語が使用されることが多いです。日本人社員を採用するほとんどの企業においては、会議や業務連絡、メールなどのやり取りが英語で完結することが多く、意思疎通がはかれる程度の英語力(TOEIC700点以上)は必要となりますが、私たち外国人にとっても大きなメリットです。主要都市やその近郊であれば、買い物や食事、タクシーでの簡単な英会話ができると生活が可能です。
特にバンコクやシラチャでは、主要病院に日本語窓口があったり、日系不動産エージェントによるサービスが充実していたりと、込み入った話は日本語でもできる環境にあります。
営業職 |
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技術職 |
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カスタマーサービス・ |
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タイでの言語や英語事情についてもっと知りたい方はこちら
マレーシアへ海外転職した際に求められる英語力
外資系では、面接や研修が英語になるので、最低でもコミュニケーションレベル以上の英語力が必要になります。また日系企業であっても社内外でコミュニケーションが円滑にとれるレベルの英語力が要求されることがほとんどとなります。
営業職 | マレーシアでは必須といえる英語力。営業では事務や経理ほど高い英語力は求められませんが、業務上支障のないレベルからビジネスレベルの英語力は求められます。 それはクライアントが日系企業の日本人であっても、契約がまとまれば後はローカルの社員と英語でのやり取りになるからです。また、社内も日本人だけという環境はほとんどなく、上司がマレーシア人になることも稀ではありません。英語力が高いマレーシア人も多く、支障なくコミュニケーションを取れる程度の英語力が求められます。 |
経理・財務職 | 日本とマレーシアの橋渡しとなる立場であるため、経理用語を含む業務上問題ないレベルの英語力は必須です。ネイティブ同等のレベルは不要ですが、特に外資系企業の場合は、トレーニングや報告を英語で実施することが多いため、読み・書き・話しにおいて意志の疎通が正確にできるレベルの英語力が求められます。 |
ベトナムへ海外転職した際に求められる英語力
マレーシアやシンガポールと比較すると、基本的には高いレベルの英語力を求められることは少ないです。多くの日系企業の場合、ベトナム人スタッフとの英語でのコミュニケーションが可能であれば応募可能という求人が多い傾向があります。ただし、クライアントとの商談や社外での英語の使用が必須の場合は、ビジネスレベルの英語力が求められるケースもあります。
営業職 | ベトナムで求められる英語力は企業によるところが大きいのが現状です。業務上はお客様も日本人であることから日本語を使用するケースが多く、社内にてベトナム人従業員とのコミュニケーションに英語を使用する場合は、日常会話レベル以上の英語力を求められることがあります。社内公用語が英語である会社や、海外とのやり取りで英語を使用する商社やIT業界ではビジネスレベルを必須要件とする傾向にあります。ただし、欧米やシンガポールといった国々と比較した際、求める水準の寛容度が高い傾向にはあります。 |
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海外転職・就職における求人動向・現状(2024年1月時点)
2024年1月にJAC Recruitmentアジア・欧州(シンガポール、インドネシア、マレーシア、タイ、ベトナム、インド、ドイツ、イギリス)合同で実施しました「海外転職・海外就職希望者のための無料オンラインセミナー」での内容から解説します。
海外勤務・海外駐在の求人動向
海外駐在員の現状
海外駐在員の数はコロナの影響もありますが、コロナ以前より世界的に駐在員の数は減少傾向にあり、それが続いています。駐在員帰任後に補充がない、帰任数に比べて補充数が少ないというケースも見受けられるかもしれません。トレンドで見ると、年間2千人ほど海外駐在員の数が減っているというのが現状です
その一方で日系企業における海外進出は継続して増加傾向にあります。コロナにより一時期は停滞していましたが、日本市場の成熟を受け、今後も日系企業の海外進出は増えていっていることがうかがえます。
海外求人の現状:海外の求人数はコロナ前を上回っている
JAC Recruitmentの各拠点でお預かりしている求人数は2020年を底に徐々に伸びており、現在はコロナを上回る求人数となっています。海外マーケットにおいて日系企業が増えているにもかかわらず、日本からの駐在員数は減っています。この背景の一つが「現地化」となります。駐在員を送り出す代わりに、海外現地法人におけるローカル採用、社内幹部登用を強化する流れが強まっています。
海外求人における日本人採用ニーズ
ただ、そういった状況の中でも、高度な日本語、日本文化への理解が必要な職種や企業の場合、日本人の現地採用・内部登用のニーズも高まりをみせています。また日系企業以外の外資系企業や現地ローカル企業においても、日本マーケットを狙ったり、日本との連携が必要になる場合、海外拠点側に日本人採用ニーズが存在しています。
国別:海外転職・就職における求人傾向(2024年1月時点)
シンガポールにおける求人傾向
業界傾向では非常に幅広い業界での求人があります。職種別では、管理職、いわゆるマネージャーレベルが3割と最も多くなっています。特色として、マネジメントからいわゆる担当者レベルであるエグゼクティブレベル、そして専門職と多岐にわたる求人がありますが、いずれも即戦力採用となり、選考では「何ができるのか」が問われることになります。
これは、政府によるシンガポーリアン・コア政策により、各国と比べて、非常に厳しいVISA取得基準が設定されていることにも起因しています。ただ、世界競争力ランキングで常にトップにランクインしている点からも海外でビジネススキルを身に着けたいかた、多国籍が集まる環境でグローバルに活躍されたい方にとてもおすすめの国となります。
インドネシアにおける求人傾向
業界傾向ではメーカー、商社、物流、そしてコンサル、人材、サービス業と続きます。職種別では、日本人対応ができる営業やカスタマーサービス。2つ目は品質管理。3つ目は拠点の運営として経理などのバックオフィスの3つが傾向としてあげられます。
特色としては、ビザの取りやすさから、経験が浅い方や海外の最初の就業としておすすめの国となります。一方で、インドネシアの市場としてはシニア層向けの求人もあります。
マレーシアにおける求人傾向
業界傾向としては、コロナ時に増加していた外資系BPOやシェアサービスセンター企業の求人が減少傾向がみられます。IT業界ではWebマーケティングを中心に求人が増加傾向にあります。日系企業が主となる製造系や商社、金融、物流業界は特に変化はなく、定期的に求人が発生しております。職種別では日系企業を中心とした営業、工場管理、ITエンジニア職が多く、日系・外資系ともにBPO、IT企業でのカスタマーサポート、インサイドセールス、Webマーケティングが続きます。最近では日系企業の経理、財務、人事、法務のポジションが増加傾向にあります。
就労ビザの点から、求人と職歴がマッチしていることが望ましく、企業も即戦力を求めるケースが多くなっています。また20代後半から40代前半のかたを想定した求人がボリュームゾーンとなっています。ただ技術職、専門職、そして管理職は40代半ばから50代を対象とした求人も一定数あります。
タイにおける求人傾向
東南アジアの中で圧倒的に日系企業の数が多く(約6,000社。中国、アメリカに次いで3番目)、求人数も多くなっています。ビザもとりやすいのが魅力となります。自動車業界を中心に製造業が主要産業の国となりますが、商社、IT、物流といった非製造業の企業も進出しており、基本的には日本にあるすべての業界がタイに進出しています。職種においては営業職が約40%近くと最も多く、エンジニア、バックオフィス職が続きます。
選考段階において企業側がみるポイントとして、英語と経験スキルがあげられます。タイでもビジネスの場面で英語を使用するため、意思疎通がはかれる程度の英語力は必要となります。30代後半以降の方は即戦力としていかせる経験とスキルを重点的にみられます。
ベトナムにおける求人傾向
業界では、製造業が最も多くを占め、製造拠点として注目されていることを表しています。次にITが続きますが、これはベトナムが国策としてIT産業拡大に力を入れているためとなります。職種としては営業が最も多くを占め、次に内勤事務、工場管理と続きます。業界・業種に大きな偏りがなく、広くチャンスがあるのが特徴になります。また3年以上の職務経験が必要条件として記載されている求人が多いです。
インドにおける求人傾向
インドに進出している1,500社の日系企業のうち6割から7割程度は自動車関連の製造業となります。ただ求人としては非製造業も多い状況です。職種としては、製造業だけではなく、商社、サービス系企業における営業や総務、秘書、翻訳、駐在員サポートといった内勤職や技術職が多くなっています。
ドイツにおける求人傾向
ドイツにはヨーロッパで最も多くの日系企業(約1,900社)があり、特に多い都市はデュッセルドルフ、フランクフルト、ミュンヘンで、多くは営業・販売拠点となっています。日本やアジアで製造された製品を、ドイツを起点として、ヨーロッパ全土の顧客に販売するため、またはそこに付随するサービスを提供するために、拠点をドイツに置いている企業が多い状況です。業界傾向としては自動車関連が多く、その他部品製造、それにかかわる素材、化学関連製品や商社の比率が高いです。
職種傾向としては、日本語スピーカーを対象とした求人の中では営業アシスタント、営業、フィールドエンジニア、経理、ITサポートなどのポジションがドイツ国外からの応募機会が得られやすい傾向にあります。その他転職のポイントとしては、応募するポジションの職務経験、次にビジネスレベルの英語力とドイツ語力がポイントとなります。即戦力を求められていることもあり、新卒やキャリアチェンジ希望の方へのポジションは限られているのが実情となっています。ただ、英語・ドイツ語双方がビジネスレベルの場合は、未経験でもチャンスがあります。
イギリスにおける求人傾向
まずイギリスで働くことになると、ビザのハードルが高くなります。ただ、IT企業もしくは金融業界の企業ではビザのスポンサーの実績も多数あります。IT業界だとインフラエンジニア、SAP関連、非常に需要の高まりをみせているのが金融業界におけるIT系ポジションとなります。金融業界だと、法人営業、カスタマーサポートといった日本語を使った求人が多くみられます。
特徴としては、IT業界でいうと、経験5年から10年のミドル層が求められており、金融業界だと3年から5年の若手層に需要が多い傾向にあります。
職種・業界別:海外転職・就職における求人動向・現状
営業職での海外転職求人動向
シンガポール | シンガポールにおいては、特定の業界には偏りがなく、全般的に幅広い業界で「営業」ポジションが求められているのが実状です。 JAC Recruitmentがお預かりする日本語スピーカー向けの営業ポジションは、特に日系企業からのオーダーが多数を占めます。 日本・日系文化への理解や、日本語そのものを活かして活躍して欲しいと期待される領域は、日系に関連するマーケットや日本人顧客向けとなりますが、そこに強みを持つ企業がどうしても日系企業になりがちであるためです。 近年の厳格な就労ビザ規制の影響から、そのうち約8割の営業ポジションにおいては、既にシンガポールで就労ビザを取得している候補者がメインの対象となるのが実状でもあります。 |
マレーシア | 当社の扱うマレーシアの求人の多くが現地採用となり、駐在員ポジションでの営業職がマレーシアで募集されることは基本的にはありません。また、昨今では大手日系企業も駐在員を減らす傾向にあるため、現地採用ではなく駐在員としての転職をご希望となる場合、日本国内から駐在員求人へ応募をされることをお勧めします。 営業職の求人が多い業界としては、商社、物流、メーカー、メーカー販社、サービス、IT系です。マレーシアでの営業職のポジションは担当者レベルのものが多く、経験が3~7年程の方を求める企業がほとんどです。また、営業職に近い販売企画、マーケティング系の求人はマレーシアでは多くはなく、マーケティングは日本の本社や、もしくはアジアの統括拠点(例えばシンガポールなど)で行われます。 |
ベトナム | 営業職の求人が多い業界としては製造業が約50%を占め、次いで商社、IT、物流、サービスなどがあります。スタッフクラスの募集が多い傾向にありますが、近年コロナを経て「現地化」の動きをとる日系企業も増えてきたことから、管理職クラスを現地採用で募集する企業も増加しました。 |
タイ | 製造業における営業職では、タイが東南アジアのヘッドオフィスになっているケースが多く、タイだけでなく、周辺国も担当する営業案件もでてきています。 |
経理・財務職での海外転職求人動向
マレーシア | 経理・財務職については日系企業からの求人が圧倒的に多い職種でしたが、近年では外資系企業のシェアードサービスセンター(SSC)やグローバルビジネスサービス(GBS)からの求人と半々くらいの割合になっています。 日系企業でのポジションは業界に関わらず経理・財務の管理や本社への報告に関わることが多く、外資系のほとんどはメーカーや商社のSSCやGBSで日本法人の経理・財務業務の一部を行う傾向があります。海外で英語を使った経理・財務経験があればベストですが、そうでない場合でも、日本で海外子会社の業務や数値の管理、外資系企業で英語を使った業務経験があると有利です。 日系企業は本社が日本であることから、ジュニアなポジションよりもマレーシア法人の経理・財務をまとめ本社へ報告、また本社からの指示をマレーシア法人に浸透させる管理職(マネジャー~CFO)の求人がメインとなっています。 |
タイ | タイのバックオフィス職はタイ語の話せるかた、もしくはタイでの経験をもっているかたを求める求人が多くなっています。 |
IT関連職での海外転職求人動向
シンガポール | 当社で求人のご依頼をいただくことの多い職種は、プロジェクトマネジメントおよびITコンサルタントのポジションです。 いずれの求人も、応募する職種での一貫した経験が少なくとも5年以上必須とされています。 求人ポジション例: ・金融機関向けのシステム開発・導入のプロジェクトマネジメント ・ITコンサルタント(経営戦略や事業戦略および業務改革の立案~計画に関するIT側からの支援) ・SCMコンサルタント(生産から販売までの全工程の効率化のための企画立案~システム導入支援) ・SAPコンサルタント (SAP導入・入替プロジェクトのマネジメント、ディレクションおよびコーディネーション等) |
マレーシア | マレーシアのIT業界・関連職種で求められる非ローカル人材向け求人は、システム系領域ではブリッジシステムエンジニアやプロジェクトマネジメント(システム系プロジェクト・ネットワーク系プロジェクト)、日系事業会社内IT系ポジション、WEB領域ではフロントエンドエンジニアといった職種が中心です。 スキルもさることながら、語学力・調整力といったコミュニケーションスキルも重視をされる求人が多く、英語圏での勤務経験や、日本国内でも英語を用いたオフショアプロジェクトの参画経験・海外ベンダーとの協業経験があると大きなアドバンテージになります。 |
技術職での海外転職求人動向
タイ | タイの製造部門は主に家電業界で募集があります。タイを東南アジアの主要拠点として位置付けているメーカーが多く、東南アジア各国での販売を管理する営業企画や事業戦略のお仕事があります。現地での製品開発にも力を入れているため、R&D部門やマーケティング部門での求人が出てくることもあります。 |
マレーシア | 日系メーカーでは日本語を話すマレーシア人技術者の確保が年々難しくなってきており、特にQA・QC、成形技術者、工場長といった職種においては日本人にも門戸が広げられています。家電・自動車部品メーカーなどではQA・QCや金型・成形技術者、アジアやグローバル展開している大手メーカーなどではQA・QC、生産技術人材の需要があります。 また、日本や中国から生産移管するメーカーも増えていることや製造オペレーター不足により、生産技術職の需要も高まってきています。 同業や類似製品を扱うメーカー出身者で、海外出張や海外駐在経験など海外拠点と何らかの接点がある(あった)技術者が、就労ビザ取得の観点からも好まれます。 技術職においては10年前後の実務経験が求められることが多く、金型・成形技術者や工場長などにおいてはシニアが重宝されるケースも目立ちます。 英語力については、そこまで高いレベルは求められないものの、社内外のローカルスタッフと問題なくコミュニケーションが取れる、ローカルスタッフに指示・指導ができるレベルの英語力は最低限必要になります。 |
ベトナム | 生産技術、品質管理、品質保証などといった技術職の需要があります。ベトナムにおいても日本品質を担保するために、マネージャー層は日本人で押さえるという傾向があるためです。 バックオフィス関連は経営層や対日本本社へのレポート、およびナショナルスタッフのマネジメントという目的での募集があります。 |
【海外転職で後悔】失敗例から学ぶ対策方法
「海外で働きたい」「語学力を生かしてグローバルに活躍したい」といった希望を持って、海外転職を目指す方は少なくありません。しかし、実際に海外転職を実現した方の中には「思っていたような働き方ではなかった」「環境が肌に合わない」などの理由から、転職したことを後悔する方もいらっしゃいます。
そこで今回は、海外転職における失敗事例をもとに、あなたが海外転職で後悔しないようにするための方法や対策についてご紹介していきます。
海外転職で後悔しやすいパターン
ビジネスパーソンが海外転職をしたいと考える理由はさまざまです。
・語学力を生かしてグローバルに働きたい
・日本ではなく、異なる国で挑戦がしたい
・外国、異文化への興味が強い
・子どもの教育のために日本語環境とは異なった海外に住みたい
など。
しかし、思うようにいかなかったり、理想とは違う現実を目の当たりにしたりして、「海外転職したことを後悔している」「やはり日本に帰りたい」という方もいらっしゃいます。
その代表的な理由として、下記のようなパターンが挙げられます。
生活環境が合わない
社会に溶け込めない、友人ができない
自分は適応できても、家族が適応できない
描いていたキャリアプランが実現できない
VISAが延長できない(サポートしてもらえない)
では、一つずつ詳しく見ていきましょう。
生活環境が合わない
その国に以前住んだことがあったり、何度も旅行したりという背景が無く、「行ったことは無いけれども、イメージ的に良さそうである」もしくは「良い機会があったので決めた」という方の場合に、しばしば発生するパターンです。
例えば、こんな声をお聞きすることがあります。
香辛料の強い料理が合わない
部屋の備品が故障して修理を呼んでも、約束の日時にやってこない
人と人との距離が、物理的にも心理的にも近すぎる(遠すぎる)
公害が酷い(空気が悪い)
気候が辛い(暑すぎる、雨が多い、寒すぎる)
物価が高い
何をするにも不便、どこに行っても待たされる
日本語はもちろん英語も通じない、いちいち交渉するのが面倒
などなど。
一つ一つは小さなことであっても、積もり積もって多大なストレスになるケースは少なくありません。言葉が通じないが故の誤解が生じるケースもあります。
社会に溶け込めない、友人ができない
外国人に対してオープンな文化を持つ社会もありますが、受け入れるまでに一定の時間がかかるタイプの社会もあります。
過去の海外在住日本人の努力と実績もあり、「日本人には部屋を貸さない」などの露骨な差別を受けるケースは極めて稀です。しかしながら、一般的に親日と言われる国であっても、日本人と仲良くしたいと思っている方ばかりではありません。思ったように現地の友人ができなかったり、社会に溶け込めずに疎外感を感じたりする方もいらっしゃいます。
また、海外の場合は、大都市であれば、日本人コミュニティもある一定規模で存在しています。海外在住の日本人同士の交流やネットワーキングのプラットフォームになる一方で、比較的狭い人間関係になりがちでもあるため、そういった空気に馴染めない、息苦しいという方もいます。
自分は適応できても、家族が適応できない
単身ではなく、配偶者を連れてこられる方、もしくは子どもの教育のためという目的で、お子さんのために海外転職・移住を志向される方々も少なからずいらっしゃいます。
ご自身には目的意識もあり、興味関心も高く、海外での刺激的なチャレンジを前向きに受け止めて仕事ができているという場合であっても、帯同家族が同様に感じられるかはまた別問題です。
配偶者が、語学が苦手で現地での生活にストレスを感じたり、就業先が見つけづらかったり、現地の狭い日本人コミュニティに疲れてしまうといった事例は、駐在員帯同・現地採用を問わずしばしば見受けられるケースです。
また、お子さんが学齢期の場合には、海外の学校環境になかなか溶け込めないなどの理由から、お子さん自身が「日本に帰りたい」と深刻に悩むケースもあります。
描いていたキャリアプランが実現できない
例えば「語学力を活かしてグローバルに活躍」というキャリアイメージを持って、海外に転職しても、実際にキャリアイメージが叶えられるケースばかりとは限りません。
日系顧客を担当する職務に就いた方の場合は、営業先が日本人となり、日本国内とやっている事があまり変わらないように感じる方もいらっしゃいます。
外資系や地場系の企業を狙って挑戦される方においては、日本国内における外資系企業での文化とはまた違った環境に苦戦するケースもあります。仕事の進め方、考え方、コミュニケーションの取り方、習慣などの違いから思うように仕事ができず、結果的に評価につながらないことが生じ得ます。
また、日本ではメンバーシップ型雇用を続けているような日系企業であっても、海外、現地採用においてはジョブ型を採用しているケースも少なくありません。そうした働き方からポストが限られ、昇進機会を得られないというケースもあります。
他にも、メキメキと語学力が向上していくイメージで来てはみたものの思ったように語学が上達せず悩まれる方もいらっしゃいます。
VISAが延長できない(サポートしてもらえない)
海外では、労働に関するレギュレーションが短期間で大幅に変わるケースも珍しくありません。これまでであれば認められていたはずのVISAの延長、永住権取得が、突然できなくなることもあります。
現地の方との婚姻といったパターン以外で、自力で在留・永住資格を取ろうと計画されていた方々が帰国を余儀なくされるというケースもあります。
また、「渡航後にVISAをサポートする」といった前提で海外での就業をスタートし、結果的にサポートがもらえないというケースもあります。エージェントなどを通さずに自己応募で転職先を見つけた方に特にみられ、中には、明らかな不法就労を意図した悪質なケースも存在します。
失敗しないために知っておくべき、海外転職向きの人の特徴
ここまで、海外転職での後悔・失敗事例のパターンをご紹介しました。
それでは、実際どのようなタイプの人が海外転職に向いているのでしょうか。その特徴を説明します。
海外転職に向いている人とは?
・しっかりとした業務(業界・職種)スキルをもっている
・英語力、もしくはローカル言語の語学力に長けている
・ポジティブ、楽観的なマインドセット(ハプニングも楽しめる)
・こだわり(食事・文化・仕事の進め方・待遇)が少ない
・自分のことは自分で責任を持つ覚悟がある
・海外に対して家族の理解がある、家族も楽しみにしている
海外転職に向かない人とは?
・こだわりが強い、細かいことを気にしがち
・日本語以外の言語に抵抗感がある
・依頼心が強い
・家族とよく話し合えていない、家族が反対している
「日本の将来が不安だから」「海外の方がキャリアアップになりそうだから」といった漠然とした理由で海外転職をした場合、転職・移住後に後悔することにもなりかねません。
海外転職は、ご自身やご家族が実際に現地に適応できそうかよく検討・理解したうえで進めることが肝心です。
海外転職で失敗しないために押さえるべきポイント
それでは、海外転職で失敗しないために、どのようなポイントを押さえておく必要があるのでしょう。
海外転職を成功させるためのポイントは、大きく分けて下記の5つです。
1. 海外での生活・働き方を知っておく
2. キャリアの棚卸し(海外転職に見合った経験を持っているか)
3. 社風を知るための企業チェック
4. 英語力・語学力アップ
5. 海外転職エージェント選び
では、一つずつ詳しく見ていきましょう。
海外での生活・働き方を知っておく
海外で生活し、働くことは、旅行で一時的に訪れることとは根本的に異なります。
文化・習慣・言語が異なる新しい環境で仕事することはもちろん、住まいを見つけ、住環境を整え、交通手段を確保し、生活に必要なサービスインフラ(銀行、スーパー、理髪店、クリーニング、スポーツジム、各種専門店、子どもの学校、など)を確立する必要があります。
病気になった時の病院・保険を確認しておくことも重要です。
こういったことについては、現地採用ポジションで現職の方たちが、実際にどのような暮らしをしているのかわかると、どの国に向けて海外転職に挑戦していきたいかを決定するのに役立ちます。発展途上国とされる国々における生活・就労環境におけるQOLが、意外と高いという事例も往々にしてあります。
海外転職を考える場合には、そこでの新たな暮らしもセットであるという事を理解したうえで、現地の文化や慣習についての情報も可能な限り収集しておきましょう。
キャリアの棚卸し(海外転職先に見合った経験を持っているか)
海外転職先を探す段階において、「どういった経験が生かせるのかわからない」もしくは「希望の職種が必ずしもマーケットに存在しない」という場合もあり、自身にあった応募案件がなかなか見つけられないケースもあります。
ぜひ今一度、キャリアの棚卸しを実施して、自分が意識していなかった経験・知識・スキルを洗いだしましょう。それを起点に、連続性のあるキャリアを描いてみてください。
海外転職後の仕事やキャリアについてある程度イメージが持てていると、生活の立ち上げも落ち着いて進められますし、安定した職住環境をセットしやすくなるでしょう。
社風を知るための企業チェック
海外における就業機会には、いくつかのパターンがあります。
例えば「日系企業の現地法人での就業」と一口に言っても、ローカリゼーションの浸透度、日本本社からの自立具合、現地社員の雇用割合、対象マーケット・顧客、社内制度・福利厚生など、それぞれの企業によって大きく異なります。
既に現地採用の社員はいるのか、どのように活躍しているのかも、重要な判断の要素となります。
現地で働くうえで自分が大事にしたいと思うポイントや気になる点については、しっかりと面接を通じて確認しておくようにしましょう。
英語力・語学力アップ
海外転職においては、多くの場合、英語や現地語を使いこなせるようになる必要があります。現地スタッフとの日常会話はもちろん、業務上必要な顧客とのコミュニケーション力も必要になるでしょう。
どの言語を、どのレベルで求めるのかについては、国・企業によって異なりますし、海外転職イコール英語面接必須という訳でもありません。選考上は、日本語面接のみで完結するポジション・企業もあります。
ただ、表面上「語学力不問のポジション」であっても、「語学力がなくてもよいが、あれば尚よい」という意味合いがほとんどです。語学力が高いほど、目指せるポジションが増えるのは言うまでもありません。
海外で働きはじめれば、言語能力は必要に応じてレベルアップするものですが、応募段階で求められる水準には事前に達成しておくことが望ましいでしょう。
海外転職を実行に移す前に……
海外転職を検討するにあたって、事前に下記の点をクリアにしておきましょう。
・自身の年齢、学歴、職歴、語学力でVISAの取得が可能かどうか?
・自身が望む国の転職マーケットにおいて、過去の経験が活かせそうな職種はどの程度あるのか?
・海外現地採用になる場合、どの程度の収入水準が必要なのか?
場合によっては、日本に残ったほうがいいかもしれませんし、将来的に海外転職を実行するとしても現段階では日本で経験を積んでおくべきかもしれません。
特に、現在就業中の方は、海外転職に向けて現職の勤務先に退職届を提出する前に上記について慎重に確認しておきましょう。
海外転職に転職エージェント利用するべき理由
転職エージェントとは
転職エージェントとは、人材紹介サービスの一つです。企業からの人材紹介依頼を受け、そうした採用を検討している企業側と転職を希望する個人側との間に立ち、転職マッチングをサポートするサービスです。転職エージェントを利用することで転職活動における手間や労力を軽減でき、マーケット情報や転職ノウハウなどのアドバイスが受けられ、かつ無料であるため、特に自らのネットワークを利用しての転職機会が限られる海外就職に関しては、利用される機会の多いサービスです。
ちなみに日本国内の転職エージェントは、基本的に日本の法律における制限を受けているため、海外現地採用をベースとした転職を考える方は海外の転職エージェントに登録をすることが求められます。(海外駐在を前提とする日本本社採用のポジションを希望される場合は、日本国内の転職エージェントへの登録で問題ありません。)
海外転職時に転職エージェントを使うメリット
キャリアの棚卸しを客観的にできる
転職エージェントとの面談ではキャリアの棚卸しや希望条件をさらに落とし込んでいきながら、転職する目的や方向性を明確にしていきます。
面談においては、希望条件(転職希望時期・希望条件・希望勤務地など)や転職意欲についての質問を受けることになりますが、ご自身が考えていることを素直に正直にお話いただいて構いません。それを踏まえて、実現可能性(海外転職可能・不可能・希望条件を修正すれば可能)がフィードバックされます。
職務経歴書のブラッシュアップや条件交渉など細かなサポートをしてもらえる
求人情報に対して応募を希望する場合は、職務経歴書を志望企業ごとに作成する必要は有りません。応募にあたって書類のブラッシュアップが必要であれば、コンサルタントが修正サポートもします。
内定の段階で、転職ご希望者側が希望している条件に対し、企業側が想定している提示内容に相違があれば、コンサルタントを通じて条件のすり合わせが行われます。そのうえで、企業側が最終的に提示した内容で承諾するかどうかを転職ご希望者側で判断する必要があります。条件交渉の際は口頭の会話のみですと、言った・言わないのトラブルに発展する可能性があるため、メールや書面などエビデンスを残すことを推奨しています。間に転職エージェントが介在していれば、そのようなトラブルも未然に防げるようサポートするので安心です。
転職先が決定したら転職エージェントからのサポートが終了するわけではなく、一般的には退職交渉のアドバイスも実施しています。
海外転職の場合は、このフェーズで就労ビザをどのようにアレンジするかが、同時に確認されます。国によっては、ビザの申請が必ずしも100%認められるとも限らず、そうした場合においては退職交渉に先立ってのビザ申請が必要になってきます。(万が一、ビザ申請がリジェクトされた場合も現職に残れる道を残しておくためです。)入社予定日については、新規ビザ申請が絡むケースの場合には敢えて事前確定させず、「応相談(ビザが認められ次第決定)」という前提で進められるのが一般的です。
特に海外就業経験の無い方にとっては、海外での就業に際して、分からない事・不安な事も数多くあるでしょう。就業という側面だけでなく、生活という面についても考える必要があります。物価、治安、暮らしやすさなど、なかなか想像し難い部分もあります。海外転職エージェントを利用する場合、前述した一般的なメリットだけでなく、実際にその地で生活をしているコンサルタントから日々刻々と変化する生の情報を仕入れる事ができるのが、大きな利点となります。
海外転職・就職情報は日本国内からは手に入りにくい
「どうやって企業の情報収集をすればよいか分からない」「自分が挑戦できる国を知りたい」と感じていらっしゃる場合や、日本国外における日系グローバル企業や外資系企業などへの転職なら、海外転職に強い転職エージェントへの登録をお薦めします。なかでもJAC Recruitmentは、海外転職サポートに長い歴史と実績を誇る転職エージェントです。
JACの海外現地拠点にご登録すると、実際にその地で仕事・生活をしている転職コンサルタントが、その国における実状、自らが直接担当する企業の情報、面接のポイント、書類の書き方など、あなたの海外転職活動を全面的にサポートします。
自分の現在の英語力で、実際に挑戦できる国はどこなのか?国を絞る前に総合的な情報を得たい場合には、JAC Recruitment ジャパンデスクにご相談ください。日本と海外両方のマーケットを熟知している転職コンサルタントが、あなたのお話をうかがったうえで、より可能性の高い国におつなぎします。