IT業界で、これまでのご経験を活かして、海外就職・転職をご検討される方にとって、現在のシンガポール転職市場の最新動向、また、「IT業界の売り手市場はいつまで続くのか」 という点は気になるところでしょう。そのような方のために、この記事ではシンガポールにおいて「現在どのような求人があるのか?どのような人材が求められるのか?」などについて詳しく解説いたします。
目次1)シンガポールにおけるIT業界のトレンド2)ニーズの高い職種・ポジション3)IT業界で求められる人物像について4)IT業界の年収事情5)IT業界におけるキャリアの魅力6)転職事例7)シンガポールのIT業界への転職ならJAC Recruitment ITチームにお任せください |
シンガポールにおけるIT業界のトレンド
近年AIの進歩でIT化がますます進む中で、IT業界は引き続き右肩上がりの成長を続けており、シンガポールにおいても積極的に人材採用を進めている企業が見られます。また、IT需要は留まるところを知らず今後も拡大が見込まれていることから、IT人材の不足は今後も続くことが予測されており、IT転職市場全体としてみれば活況が続くと思われます。
下記は、当社でお取り扱いしている過去3年間の「外国人が応募可能なIT求人数」の推移からも企業の採用ニーズが年々高まっていることがわかります。
※JAC Singapore自社調べ
ニーズの高い職種・ポジション
現在、当社で求人のご依頼をいただくことの多い職種は、プロジェクトマネジメントおよびITコンサルタントのポジションです。
いずれの求人も、応募する職種での一貫した経験が少なくとも5年以上必須とされています。
求人ポジション例:
・金融機関向けのシステム開発・導入のプロジェクトマネジメント
・ITコンサルタント(経営戦略や事業戦略および業務改革の立案~計画に関するIT側からの支援)
・SCMコンサルタント(生産から販売までの全工程の効率化のための企画立案~システム導入支援)
・SAPコンサルタント (SAP導入・入替プロジェクトのマネジメント、ディレクションおよびコーディネーション等)
IT業界で求められる人物像について
「人材がいて、その方のスキル・経験にあったポジションで採用する」という“人材ありき”の考え方ではなく、「企業で必要なポジションがあり、それに合った最適な人材を採用する」という考え方が根底にあるため、“ジェネラリスト”ではなく“スペシャリスト” が求められるのがシンガポールの特徴です。そのため、転職活動を始める前に、「自分はどの分野で貢献できるか?」 「強みは何か?」 「伸ばしたいスキルは何か?」など、これまでの経験やスキルを振り返り、今後のキャリアの方向性や自身の目標を明確にする“キャリアの棚卸し”からまず始めることをおススメします。また、プロジェクトが始まる前提での採用のため、面接から入社までの期間が平均2か月と早いこともシンガポール就労の特徴といえます。
<その他、求められるスキル>
●ビジネスレベルの英語力
日系企業の場合、日本語でやり取りすることも多いですが、社内コミュニケーションは基本的に英語でのやり取りとなるため、問題なく英語で意思疎通ができることが必要とされます。また面接などでは人事担当が現地人であることも多く、自身の経験・希望などを的確に伝えられることが必須です。
●自ら考え・行動する積極性
外資系企業や現地企業での採用の場合、日本のような研修制度などOJTが整っているケースが少ないため、“即戦力となる”人材を求められることが多いのが特徴です。 そのため、“自ら考え、動くことができる”という行動力・スキルは必須です。
●国際資格を有する
- プロジェクトマネジメント分野でキャリアを伸ばしていきたい場合は、PMP資格(Project Management Professionalの略)の取得をおススメします。PMP資格取得には、スキルだけでなく実際のプロジェクトマネジメント経験も必要となりますが、この資格は、プロジェクト管理のための、スケジュール調整や人材・コストマネジメントなど、プロジェクトを円滑に進めるためには必要不可欠とされるスキルで、今後のキャリアアップや転職にも役立つでしょう。
- ソリューションアーキテクトの経験を生かした転職をお考えの方は、AWS認定ソリューションアーキテクト資格があれば良いと言われています。こちらの資格取得には、1年以上のAWSによる実務経験を持つソリューションアーキテクト担当者が対象とされていることもあり、実務経験(インフラ・ネットワーク、セキュリティに関連する技術)が必要となります。
●GitHubの活用
GitHubとは、Gitの仕組みを利用し、自身のコーディングやデザインなどを無料で公開できるウェブサービスで、個人・企業問わず世界中で利用されているサービスです。エンジニアの採用においては(特にソフトウェアエンジニアやテクニカルリード等の採用)、候補者の開発スキルや実績を把握するため、GitHubの提出を求める企業も増えていることから、GitHubを活用して、自身の技術力を示すことは重要になってくるでしょう。
IT業界の年収事情(年代別の一例)
20代後半 外資コンサル企業でのITコンサルタント:980万円
30代前半 日系コンサルティング会社でのChief 1,200万円
30代後半 日系商社でのITプロジェクトマネージャー:1,250万円
40代前半 日系商社でのITマネージャー:1,500万円
IT業界におけるキャリアの魅力
グローバルな環境で働くことができる
シンガポールに地域統括会社を置く企業が多いため、ASEAN諸国またはAPAC諸国とのビジネス連携や協働するチャンスもあり、グローバルな環境で働くことができるのが、シンガポール就労の魅力の一つです。
マネジメント層との距離が近い
多国籍で多文化の社員が集まる職場では、上司・部下の垣根なく、誰もがコミュニケーションを取りやすい環境にあり、フランクで風通しの良い雰囲気の職場が多い傾向です。またお客様とのやりとりにおいてもマネジメント層の方と直接やりとりをするケースも多いです。
世界中から集まる優秀な人材から技術・スキルを学ぶことができる
いわゆるIT大国と呼ばれるインドなど、世界中からレベルの高いエンジニアを始めとするIT人材が集まっていることから、そのような環境に身を置くことで、インスパイアされ、気持ちもテクニカルスキルも磨けることが期待できます。
専門性を高められる
分業化された職務に対して人を採用するというスタイルのため企業内で職種をまたいだ異動もほぼなく(昇格昇進を除く)、極めたいスキルがある方にとっては自己成長の場として最適です。
転職事例
事例1)Aさん 40代前半
<海外転職前>
・日本で約10年、様々な業界向けシステム開発・導入を行った後、かねてからの目標だった海外留学へ(アメリカ)
・帰国後に海外とやり取りのある中堅SIerへ転職し、金融機関向けのシステム導入PMOとして数年就労
・仕事で英語を使う機会はあるものの、やはり海外で働きたいという思いから転職活動開始
<転職活動中のエピソード>
・コロナ禍真っ只中での海外転職ということもあり、求人案件が非常に少なかったが、常に前向きな姿勢で転職活動に臨み、転職市場の回復とともに海外転職を実現
・プロジェクトの引継ぎ等も大変であったが、“海外で働きたい”という夢を日頃から語っていたので、周囲のメンバーも協力的に応援してくれた
<シンガポール転職後>
・金融機関へ常駐し、ASEAN地域各拠点向けのシステムロールアウトのPMOを担当中
このようにシンガポールのIT関連の職種は、専門性をベースに分業されております。
転職をお考えの際には、まず「自分の専門性や強みは何かを知ること」、そして「専門性に磨きをかけること」が重要になってくると思います。それがシンガポール転職を成功させる上で大きなポイントになると言えるでしょう。
事例2)Bさん 20代後半
<海外転職前>
・新卒で大手SIerで約3年、ITコンサルタントやプロジェクトリーダーとして金融機関向けシステム開発に従事
・海外で働くチャンスがあると聞いて入社したが、若手ということもありなかなか海外駐在のチャンスが巡って来ず、海外就労を実現するためJACへ相談
<転職活動中のエピソード>
・“若手”ということが前職ではネックとなっていたが、キャリアの棚卸しをきちんとしたことで自分の経験、強み、専門性、海外でどんな仕事をしたいか、なぜシンガポールで働きたいのか等をはっきりとアピールできたことで、ある企業から高く評価された
・シンガポールでの働き方やキャリア形成、生活情報などネットにはなかなか載っていない最新情報収集についてJACをうまく活用することでシンガポール就労についてクリアなイメージを持つことができた
<シンガポール転職後>
・ITコンサルタントとして大手IT企業に在籍し、金融機関向けのシステム導入プロジェクトを担当中。
こちらの方はキャリアの棚卸をご自分できちんとされており、専門性や海外就労の目的や優先事項をはっきりと自分の言葉で伝えることができたため、JACとしてもマッチ度の高い求人や企業様をご紹介することができました。一見転職活動では当たり前のことではありますが、シンガポール就労を実現した方の多くはこの点がきちんとできており、面接で高評価を得ております。
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