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マレーシア基本情報を丸ごとお伝えします

【マレーシア】移住の基本情報を紹介

移住したい国ランキング*14年連続1位に選ばれるほど住みやすい国として知られるマレーシア。首都クアラルンプールや古都マラッカ、リゾート地のペナン島、ランカウイ島等を訪れたことがある人も多いのではないでしょうか。

こちらの記事では、マレーシアの基本情報についてお伝えします。

*2006年~2019年の14年間。一般財団法人ロングステイ財団法人調べ。

目次

  1. マレーシア基本情報

  2. マレーシアの治安は?

  3. 就職活動の前に知っておきたいマレーシアの経済と産業構造

  4. マレーシアの食生活について

  5. コストパフォーマンスが高い住居情報

  6. もしもに備える医療事情

  7. マレーシアの交通機関

  8. 携帯電話、SIMカード、Wi-Fiの入手方法

  9. 子供の教育事情(小中学校)

  10. 就労ビザ取得について

  11. マレーシア渡航前に準備すること

 

1.マレーシア基本情報

東南アジアに位置し、マレー半島とボルネオ島北部からなります。日本との時差は-1時間で、飛行機では約6.5時間の距離です。
・首都:クアラルンプール(Kuala Lumpur)
・面積:約33万㎢(日本の約0.9倍)
・人口:3,275万人(日本の約0.26倍)*2021年マレーシア統計局
・民族:マレー系(61.6%)、中国系(22.6%)、インド系・その他(7.8%)*2020年マレーシア統計局
・言語:国語:マレー語/公用語:英語、中国語、タミール語
・宗教:国教:イスラム教/その他:仏教、キリスト教、ヒンドゥー教
※言語に関する詳細はこちらの記事もご覧ください。
1年を通じて温暖な気候で非常に過ごしやすい国です。雨季と乾季があり、雨季にはスコールが降ることもありますが、日本の梅雨のように1日中雨が降り続くようなことは多くありません。
また、アジア最大の格安航空会社エアアジアの本拠地のため、気軽に海外旅行ができるのもマレーシアの特徴です。


2.マレーシアの治安は?

​マレーシア人は穏やかな国民性のため、フレンドリーでおおらかな人が多く、東南アジアの中でも治安が良い国です。
基本的にはあまり神経質にならずに過ごすことができますが、日本とは異なるため人込みでのスリや観光客が多いエリアでの置き引き、ぼったくりなど、観光時に気を付けたいポイントは日常生活においても気を付ける必要があります。


3.就職活動の前に知っておきたいマレーシアの経済と産業構造

マレーシアは元首相のマハティール氏が1981年に「ルック・イースト政策」を打ち出したこともあり、以前から親日家が多い国です。
「ルック・イースト政策」とは、日本や韓国の経済成長を近代化の手本として国民の教育を行い、国費による日本への留学生や技術強化訓練の研修生の派遣に取り組んだものです。

マレアの主要産業は製造業(電気機器)、農林業(天然ゴム、パーム油、木材)及び鉱業(錫、原油、LNG)で、特に製造業においては古くから日系大手メーカーが進出し、マレーシア人の雇用機会創出に貢献していました。その後、1996年にマレーシアのデジタル経済を促進・支援することを目的に設立されたMDEC社(マレーシア・デジタルエコノミー社)の施策により、近年では外資系のIT、BPO、SSC、スタートアップ企業が多く進出し、デジタルサービス分野での需要がかなり高まっています。

さらには、2018年インダストリー4.0に関する国家政策「Industry 4WRD」が打ち出され、2025年までにハイテク産業の主要国化を目指し、マレーシア地場中小企業の生産性向上及びスマートマニュファクチャリング化に国を挙げて取り組んでいます。そのため、この施策のパートナー企業としてICT領域で活躍する日系企業の需要が生まれる可能性があります。

マレーシアは新たな分野・産業における経済発展のポテンシャルが高い国の1つであると言えます。


4.マレーシアの食生活について

マレーシアは多民族国家のため、マレー料理、中華料理、インド料理などをフードコートやレストランで楽しむことができます。
日本食レストランも様々なエリアにあり、日本食を自炊するために必要な食材や調味料も日系スーパーのみならず、場所によっては地場系スーパーでも購入することができるので、「食」のチョイスに困ることはありません。

外食

  • フードコート/ホーカー
    ショッピングセンターのフードコートや街中のホーカー(屋台街)では1食RM5~20程(150~600円程)で気軽に食事を取ることができます。

  • レストラン
    マレーシアは予算やシチュエーションに合わせたレストランの選択肢が豊富です。
    宗教毎、民族毎に食のルールや嗜好が異なるため、会食の設定には気を付ける必要があります。

テイクアウト・デリバリー

テイクアウトやデリバリーの利用も一般的です。
フードデリバリーサービスのGrab Food、foodpanda、Beepなどを活用できますし、レストランによってはメッセージアプリのWhatsAppで直接注文をすることもできます。

自炊

日系スーパーはISETAN、AEON、ドンキホーテがあり、日本から輸入された商品は日本の販売価格の1.2~1.5倍程に設定されていることが多いです。
地場系スーパーはJaya Grocer、Village Grocer、B.I.G.などがあり地元の食材だけでなく調味料やインスタント食品、冷凍食品など日本や諸外国からの輸入食材を購入できます。


5.コストパフォーマンスが高い住居情報

マレーシアで暮らすメリットのひとつに、住居のコストパフォーマンスが高いことが挙げられます。

気になる家賃相場

コンドミニアムで一人暮らしの場合、クアラルンプール市内及び近郊でRM1,500~2,300(約45,000~69,000円)程です。Studioと呼ばれる日本でいうワンルーム、もしくは1 Bed Roomと呼ばれるベッドルームとリビングが付いている部屋はそれぞれ40~60平米と、いずれもゆとりのある間取りです。
また、上記はFully Furnished(家具付き)で家電製品も付いた物件の値段となりますので、大掛かりな引越しは必要ありません。

一般的に日本人が住むようなコンドミニアムは、24時間セキュリティが常駐しており、居住者用スペースに入るにも専用のカードキーが必要など、しっかりと防犯対策が取られている建物がほとんどです。ジム、プールは併設、BBQスペースやコンビニ等が併設されている物件もあり、快適な生活を送ることができるでしょう。

日本では手の届きにくい高層マンション(コンドミニアム)に、マレーシアであれば安価で住めるのは嬉しいですね 

住居探し

日本と比べてとてもシンプルで、上述の通り家具家電付きの物件が多いため、契約完了後早くて翌日には入居可能です。
住居探しの方法は大きく2つあります。

  • 不動産エージェントを活用
    予算と希望エリアを伝えるといくつかの物件を見繕ってくれるうえ、それらをまとめて内見することができます。
    日系不動産会社もありますが、駐在員や移住者向けの高額物件を取り扱う会社が多く仲介手数料も高いため、英語ができる方には地場系エージェントを使用することをお勧めします。

  • インターネット検索
    現地で広く知られている物件探しのプラットフォーム、“iProperty”や“Property Guru”で気に入った物件のオーナーや不動産会社、ブローカーと直接連絡を取ることができます。
    目当てのコンドミニアムや物件がある場合は、こちらの方法が便利かもしれません。

物件の契約は1~2年間とすることが多く、日本と比較すると簡単に入居できることから、気分転換で引っ越しをするという方もいます。引っ越しの際には入居したい時期の1~2カ月前に探し始めるのがベストタイミングです。
オーナーにとっては少しでも早いタイミングで入居してくれる方が好ましいため、入居希望日の2カ月以上前に探し始めた場合、手付金の支払いなどを要求されることがあります。


6.もしもに備える医療事情

マレーシアではクリニックや専門医、総合病院など症状によって病院を使い分けることが一般的です。
近年マレーシアも外国人向けの医療ツーリズムに力を入れており、日本語通訳アシスタントが常駐する私立病院もあります。
尚、病院の種類や診察内容によって料金が変わるため、事前に病院に問い合わせて症状を伝えるとともに、診察代の目安を確認しておくことをお勧めします。

  • 風邪などの軽い症状でクリニックに行った場合
    ローカルクリニック:RM50~
    日系クリニック:RM100~
    総合病院:RM200~
    ※別途初診料、薬代が発生します。

  • 専門医(眼科、皮膚科、耳鼻科等)
    RM100~
    ※別途初診料、薬代が発生します。

  • 歯科
    虫歯治療:RM200~
    クリーニング:RM100~250

会社やご自身が加入している保険、日本のクレジットカードに付帯している保険が適用される病院は限定されますので、予め保険適用の条件を確認しておきましょう。


7.マレーシアの交通機関

クアラルンプール市内とその近郊ではLRT 、MRT、空港鉄道、モノレール、KTMコミューター、タクシー、Grab、バスなど多くの交通機関があります。

・鉄道(LRT、MRT、モノレール、KTM/クアラルンプール市内と近郊):RM1.2~6
・空港鉄道:RM55
・バス(クアラルンプール市内と近郊):RM1~3
・タクシー:初乗りRM3~
・Grab:RM5~

マレーシアはキャッシュレス化が進んでおり、現金が使用できない公共交通機関もあります。プリペイド式カードのTouch’n Goを1枚持っていれば、公共交通機関の使用だけでなく高速道路や駐車場の料金支払いにも利用できます。

クアラルンプール市内はタクシーが多く走っており手軽に利用することができますが、日中や近距離の移動に限定した方が良いでしょう。
一時期よりは減ったものの、法外に高い金額を要求されることもあるため、乗車時にはメーターを使うことを確認してから乗車することをお勧めします。

配車サービスはGrabだけでなくAirasia Rideやgojo等の選択肢があります。料金交渉の必要なく、事前に確定された料金で目的地まで向かうことができるので、ストレスなく利用可能です。
※Grabはマレーシア発祥のベンチャー企業で、現在はシンガポール企業です。


8.携帯電話、SIMカード、Wi-Fiの入手方法

マレーシアで住むことが決まったら、まずは現地で携帯電話やWi-Fi等の通信環境を整える必要があります。
マレーシアは日本に比べ、通信会社の新規契約やプランの変更が比較的容易です。

  • 携帯電話
    携帯電話を使用する際には、通信会社と契約しSIMを入手します。携帯電話は日本でSIMロック解除したものを用意するか、マレーシアの携帯電話ショップで購入、または通信会社で新規契約をする際にも購入が可能です。

マレーシアのメジャーな通信会社は、Celcom、Maxis、Digi、U Mobileの4社です。通信会社を決め、SIM契約をプリペイド式(トップアップ式)・ポストペイド式(月額払い)のどちらにするかを選びます。

【プリペイド式】 
短期滞在向けで契約期間に縛りがなく、簡単にプラン変更が可能です。最初の有効期限は半年を設定しているものが多く、その後はトップアップ(日本でいうチャージ)で番号の延長利用が可能(期限までにトップアップしないと番号を失効してしまうので注意)。トップアップした分だけデータ通信が使用でき、解約の必要がありません。

【ポストペイド式】 
契約時にデポジットを支払い、希望のプランを契約します。月々の料金はRM60~150程。基本的に通話は無制限で、データ通信量はプランによって異なります。
外国人の場合、契約時のデポジット金が高いので注意が必要です。

  • Wi-Fi契約
    携帯電話を契約している通信会社でプランを選ぶか、TIMEやUnifi等インターネットプロバイダーのプランを契約します(光ファイバーとSIMカードを利用するポータブルWifiの2種類あります)。回線速度により異なりますがRM100~200/月で、光ファイバーの場合、コンドミニアムによって契約できる通信会社が異なるので確認が必要です。
    マレーシアのインターネットは日本と比較しても通信スピードに不自由はありません。在宅勤務が必要となった場合も、インターネットを契約していれば安定した環境で勤務することができます。


9.子供の教育事情 (小中学校)

お子様がいる場合、学校選びも重要な要素になるのではないでしょうか。
日本人の場合、インターナショナルスクールか日本人学校のいずれかを選択します。
※ローカルスクールへの入学は不可能ではないですが非常に困難です。 

  • インターナショナルスクール
    英国、米国、豪州、アジア系などそれぞれの特徴を持ったインターナショナルスクールが多数あります。
    学費は年間RM15,000~115,000程と学年や学校によってかなり差があります。

  • 日本人学校
    マレーシアの日本人学校はクアラルンプール、ペナン、ジョホール、コタキナバルと4校あります。
    日本国内と同じ教育を提供していますが、海外の日本人学校は私立学校に当たるため学費が発生します(約RM15,000~ / 年)。
    尚、日本人学校は中学までしかないため、高校からはインターナショナルスクール、近隣諸国の日系私立校、日本の高校に入学する必要があります。
    ※学校により異なりますが、学費以外に入学金や施設利用料、送迎バス等の諸経費がかかります。


10.就労ビザ取得について

マレーシアへ入国するためには観光ビザ、学生ビザ、就労ビザ、扶養家族ビザ等がありますが、国内で就労するにあたっては原則就労ビザ(Employment Pass)の取得が必要となります。

 

ビザの種類

目的

就労可否

観光ビザ

Tourist Visa

観光等短期渡航

×

学生ビザ

Student Pass

留学等勉学目的での渡航

×

就労ビザ

Employment Pass (EP),

Professional Visit Pass (PVP)

就労目的での渡航

*PVPは短期就労のみ(最長1年)

就労者扶養家族ビザ

Dependent Pass (DP)

上記就労者帯同の家族向け

×

長期ソーシャルビジットパス

Long Term Social Visit Pass (LT-SVP)

マレーシア人の外国人配偶者向け

〇*

その他

Diplomatic, Official等

外交目的等その他の場合

×

*別途、就労許可(Work Permit)の取得が必要

「就労ビザ(Employment Pass)」取得の一般的な流れ
1. 企業から内定受諾(オファーレターへの署名)
2. 就労ビザ申請に必要な書類を用意
- 英文レジュメ
- 最終学歴の英文卒業証明書(カラー)
- パスポート全ページのスキャン(カラー)
- (マレーシアの)パスポートサイズの証明写真(背景は青)
3. 企業から所属する省庁(ESDまたはMDEC)へ就労ビザを申請
4. 担当省庁からApproval Letterを受領した後、eVISAを申請・取得
5. マレーシア入国後、ESDカウンターまたは担当省庁、郵送等にてパスポートへ就労ビザを貼付

※就労ビザ申請方法や準備する書類は企業によって異なる場合があります


11.マレーシア渡航前に準備すること

就労ビザを取得し、マレーシアへの渡航が決まったところで、具体的な準備が必要になります。
日本からマレーシアへの渡航準備を多数サポートした経験から、To DOリスト式に準備内容をご紹介いたします。

To DO1 就労ビザ申請のための書類準備

マレーシアで就労するには就労ビザの取得が必要です。
前述の通り、就労ビザ申請のためには英文卒業証明書(企業によっては英文成績証明書も)が必要となりますので、選考状況が佳境に入りましたら取り寄せすることをお勧めいたします。

To DO2 日本国内での役所関連手続き

日本を離れる際、お住まいの市区町村の役所で海外転出届を出し、住民票を除票する手続きを取る必要があります。住民票を除票するということは、健康保険などの社会保障から離脱することとなるため、日本の病院へ定期的に通院が必要という方などは、住民票をそのままにして渡航をする方もいらっしゃいます。その場合、ご自身で国民健康保険と住民税の支払いが必要となるため、まとまった資金を用意することをおすすめします。
また、国民年金については、住民票を抜いた時点で支払いは停止されますが、任意で支払いを継続することもできます。

To DO3 在留届の提出

外国に住所または居所を定めて3カ月以上滞在する方は、在留届の提出が義務付けられています。マレーシアに到着後、住所が決まった段階で、在マレーシア日本大使館へ在留届を提出しましょう。危険情報や日本との渡航に関する注意事項などの連絡がメールで来ます。
外務省オンライン在留届のウェブサイトから申請が可能です。

To DO4 渡航用の荷物の準備

マレーシアはダイソーやニトリなど日系の店舗やスーパーマーケットが多く進出しており、簡単に日本製品や食材を手に入れることができます。そのため、単身者であればスーツケース一つで渡航出来てしまうほど現地で必要なものが揃います。

その中でも、日本から持ってきたほうが良いと思われるものをご紹介します。

スーツ:常夏のマレーシアではスーツ着用の仕事でもノーネクタイ、ノージャケットと、比較的カジュアルな恰好で勤務することが許容されている企業も多いです。ただし、出張や会議、会食など、スーツ着用の場面もありますので、着慣れたスーツ一式をお持ちすることをお勧めします。

薬&サプリメント:日常的に薬を服用されている方はもちろんですが、市販の常備薬や飲み慣れているサプリ等は、日本から持参すると安心です。

化粧品:日系化粧品メーカーの製品はデパートやショッピングモール等で買えますが、価格が割高ですので日本から持参することをお勧めします。

To DO5 生活セットアップのための準備

入社して最初の給与は、入社日によっては満額支給されない場合もあります。そのため、渡航後1~2カ月分の生活費を準備することをおすすめします。

なお、住居契約には現金が必要となるケースが多く、一般的に初期費用として3.5~4カ月分の家賃がかかります。

  • 前家賃(1カ月分)

  • デポジット(2カ月分)(敷金にあたる)

  • 光熱費デポジット(0.5~1カ月分)

デポジットについては、退去時に光熱費の払い残しや部屋の経年劣化以外の破損が無い場合は、全額返金されます。契約内容によっては、部屋やエアコンのクリーニング代を差し引いた金額が返金されますので、契約時にご確認ください。

スーパーや小売店、レストラン等クレジットカードやデビットカード、ペイメントアプリ等で支払いができる場所が多いですが、現金のみの対応の店舗もありますので、現金を用意することをおすすめします。
尚、日本のクレジットカードを使う場合は、海外での支払いが可能か、支払い上限の制限がかかっていないか等を事前にご確認ください。

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