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海外転職:アメリカ就労ビザと必要な英語力

海外転職:アメリカの就労ビザ/就労許可書

アメリカの就労ビザ

アメリカで合法的に就労するには、職種や雇用形態に応じた就労ビザの取得が必要です。多くの場合、ビザ申請に先立ち、雇用主または代理人が米国移民局(USCIS)に請願書(Form I-129)を提出し、承認を得る必要があります。

H-1Bビザ(特殊技能職)

アメリカで専門職に就く外国人向けの就労ビザです。対象となる職種には、IT、エンジニア、会計士、研究者などが含まれます。申請には、関連分野の学士号以上の学位または同等の実務経験が必要です。初回の有効期間は3年で、最大6年まで延長可能です。
毎年の発給数には上限があり、一般枠65,000件、米国修士号以上の特別枠20,000件が設定されています。申請は抽選制(H-1B CAP)で、事前登録が必要です。2025年からは申請書類の新様式が導入され、審査が厳格化されています。

  • 対象者:IT、エンジニア、会計士、研究者などの専門職

  • 要件:関連分野の学士号以上の学位または同等の職歴

  • 有効期間:初回3年、最大6年まで延長可能

  • 特徴

    • 年間発給数に上限あり(一般枠65,000件、米国修士号以上の特別枠20,000件

    • 抽選制(H-1B CAP)で、事前登録が必要

    • 2025年1月から申請書類の新様式(Form I-129)が導入され、コンプライアンス強化が進行中

2025年は特に以下の分野で需要が高まっているとされています。

    • AI・機械学習

    • サイバーセキュリティ

    • バイオテクノロジー

    • 医療・地方医療従事者

    • STEM分野の教育・研究職

L-1ビザ(企業内転勤者)

L-1ビザは、多国籍企業の社員が米国内の関連会社に一時的に転勤する際に必要な就労ビザです。日本を含む海外の企業に勤務している社員が、アメリカの親会社・子会社・支社・関連会社などに異動する場合に利用されます。

  • 対象者:多国籍企業の社員が、米国内の関連会社に転勤する場合

  • 種類

    • L-1Aビザ:管理職または役員クラスの社員が対象。最長で7年間の滞在が可能です。

    • L-1Bビザ:企業内で特定の専門知識を有する社員が対象。最長で5年間の滞在が可能です。

  • 要件

    • 過去3年間のうち、少なくとも1年間を海外の関連会社で継続して勤務していることが必要です。

    • 米国法人と海外法人の間に、明確な親子関係または関連会社関係があることが求められます。

  • 特徴

    • グリーンカード(永住権)への移行が比較的スムーズなビザの一つとされています

    • L-1BからL-1Aへの切り替えも可能で、昇進後6か月以上の実績があれば申請できます。

    • L-2ビザにより、配偶者や子どもも帯同可能。配偶者は就労許可なしでの就労が認められています

L-2ビザ(Lビザ保有者の家族)

L-2ビザは、L-1ビザを取得してアメリカに滞在する企業内転勤者の家族が、帯同するために必要なビザです。L-1ビザ保有者の配偶者および21歳未満の未婚の子どもが対象となります。

  • 対象者

    • 配偶者(L-2S)

    • 21歳未満の未婚の子ども(L-2Y)

  • 特徴

    • 配偶者(L-2S)は就労許可証なしで就労可能です(2022年以降の法改正により、自動的に就労が認められています)。

    • 子ども(L-2Y)は就学が可能ですが、就労は認められていません。

    • L-2ビザの有効期間は、L-1ビザ保有者の滞在期間に準じます

  • 注意点:

    • L-2ビザはL-1ビザ保有者のステータスに依存しており、L-1ビザが失効した場合、L-2ビザも無効となります。

    • 渡航前に家族全員分のビザ申請が必要であり、面接や書類審査も個別に行われます。

ビザ申請の注意点と最新動向

アメリカの就労ビザ制度は、年々審査基準が厳格化されており、申請者にとってはより慎重な準備が求められる状況となっています。

書類不備・条件不一致による却下が増加

米国移民局(USCIS)では、請願書(Form I-129)や許可通知(I-797)の内容に不備がある場合、ビザ発給が却下されるケースが増えています。特に、職務内容と学歴・職歴の整合性が取れていない場合や、雇用主との契約内容が不明確な場合は、審査が通らない可能性が高まります。

年齢・職歴による制限の可能性

ビザの種類によっては、年齢や職歴に関する暗黙の条件が存在することがあります。たとえば、H-1Bビザでは、新卒よりも実務経験を持つ中堅層の方が有利とされる傾向があります。また、L-1ビザでは、過去3年のうち1年以上の勤務実績が必要とされるため、キャリアの浅い方にはハードルが高い場合もあります。

SNSアカウントの提出義務

2019年以降、ビザ申請者にはSNSアカウント情報の提出が義務化されており、過去の投稿内容が審査対象となることもあります。これにより、申請者の信頼性やリスク評価がより厳密に行われるようになっています。

面接・渡航スケジュールの管理が重要

ビザ申請には、在日米国大使館または総領事館での面接が必要です。面接には、請願書の受付番号や許可通知(I-797)の提示が求められ、スケジュール管理が非常に重要です。就労開始予定日の90日前から申請可能で、渡航は就労予定日の10日前から可能とされています。

最新情報の確認が必須

ビザ制度は政権交代や国際情勢により変更されることがあるため、最新の情報は必ず米国大使館やUSCIS公式サイトで確認することが推奨されます。

海外転職:アメリカで求める英語力・語学力

アメリカで働くことを目指すうえで、英語力は避けて通れない重要な要素です。英語はアメリカの事実上の共通言語であり、就労においては高いレベルの言語運用能力が求められます。

特にビジネスの現場では、単なる日常会話力にとどまらず、実務に直結する英語スキルが必要とされます。たとえば、ビジネスメールの作成や会議での発言、議事録の作成、プレゼンテーションの実施、さらには契約書や仕様書の読解といった業務が日常的に発生します。こうした場面では、正確かつ明確な英語表現が求められ、語彙力や文法力だけでなく、論理的な構成力や対話力も重要となります。

また、顧客や同僚との口頭でのコミュニケーションも欠かせません。アメリカの職場では、率直で明快なやり取りが重視されるため、自分の意見や要望を適切に伝える力が評価されます。

一部の地域、たとえばカリフォルニア州やテキサス州などでは、スペイン語が日常的に使用されることもありますが、就労においては英語が基本となります。特に外資系企業や多国籍企業では、英語が社内共通語として使用されており、英語力が採用や昇進の判断材料となることも少なくありません。

アメリカでのキャリアを築くためには、英語力の向上が不可欠です。語学力を磨くことは、単に就職のためだけでなく、現地での信頼関係構築やキャリアアップにも直結する重要な投資といえるでしょう。

​アメリカでは、英語が事実上の共通言語であり、就労において英語力は必須です。特にビジネスシーンでは、以下のようなスキルが求められます。

  • ビジネスメールの作成

  • 会議での発言・議事録作成

  • プレゼンテーション

  • 契約書や仕様書の読解

  • 顧客・同僚との口頭コミュニケーション

業界別の英語力の違い

  • IT・エンジニアリング:技術文書の読解力、仕様書の理解、コードレビューの説明などが重視されます。

  • マーケティング・営業:プレゼン力、交渉力、文化的なニュアンスの理解が重要。

  • 医療・研究職:専門用語の理解と論文読解力が求められます。

実務で求められる英語力

TOEICスコアが高いことは有利ですが、実際の職場では以下のような実践的な英語力が重視されます:

  • ネイティブのスピードに対応できるリスニング力

  • 異文化間での適切な表現・言い回し

  • 専門用語や業界用語の理解

  • 書類作成・交渉における正確な表現力

TOEICスコアの目安

アメリカの企業では、TOEICスコア自体を重視するケースは少なく、実際の英語運用能力(特にスピーキングとリスニング)が重視されます。

TOEFLやIELTSのスコアを求める企業・職種もありますが、面接や実技試験で英語力を直接確認するケースが増えています

TOEICスコア

レベル

活かせる職種・特徴

600〜700点

中級

一般事務、接客、観光業など。日常会話レベル。

700〜800点

ビジネスレベル

海外営業、ITエンジニア、外資系企業の一般職など。

800〜900点

専門レベル

管理職、国際部門、外資系企業の中核職。会議・交渉も可能。

900点以上

ネイティブレベル

通訳・翻訳、国際交渉、海外赴任、グローバルマネジメント職など。

TOEICスコアは一つの目安にすぎず、実際の職場では「英語で成果を出せるか」が問われます。特にスピーキングとリスニングの実践力が重視されるため、日常的に英語を使う環境に身を置くことが、キャリアアップへの近道となります。

英語力向上のための実践的アプローチ

  • オンライン英会話やビジネス英語コース

  • 英語ニュースやポッドキャストでのリスニング強化

  • 英語でのミーティングやプレゼンの練習

海外転職:アメリカで求められるスキル・人物像

スペシャリスト志向の採用傾向

アメリカの求人市場では、Generalist(ジェネラリスト)よりもSpecialist(スペシャリスト)が高く評価される傾向が強まっています。特に、AI、データ分析、プロセス最適化、ソリューション営業など、専門性の高いスキルを持つ人材が求められています。企業が即戦力としての専門人材を求める傾向を強めているためです。

スペシャリスト志向の背景

  • 特にSTEM分野(科学・技術・工学・数学)では、H-1Bビザの対象職種としても優遇されるため、専門性の高いスキルはビザ取得にも有利に働きます。

  • リモートワークの普及により、特定の技術スキル(例:クラウド、サイバーセキュリティ、DevOps)への需要がさらに高まっています。

注目されているビジネススキル

これらのスキルは、単なる知識ではなく、実務での応用力が問われる点が特徴です。

  • AIリテラシー:AIツールを理解し、業務に活用できる能力

  • データ分析:意思決定や業務改善に活かせる分析力

  • プロセス最適化:業務効率を高めるための改善スキル

  • パブリックスピーキング:説得力あるプレゼンや交渉力

  • ソリューション営業:課題解決型の営業スタイル

  • ステークホルダーマネジメント:関係者との調整・交渉力

  • イノベーション思考:新しいアイデアを生み出す創造力

  • 規制コンプライアンス:業界ごとの法令遵守への理解

人物像として重視される特性

アメリカの職場文化では、以下のような人物像が高く評価されます。

  • 自律性と責任感:裁量を持って業務を遂行できること

  • 成果主義への適応力:プロセスよりも結果を重視する姿勢

  • 率直なコミュニケーション:意見や要望を明確に伝える力

  • 多様性への理解と尊重:異なる文化・価値観との協働力

  • 変化への柔軟性:新しい環境や技術への適応力

英語力と就労ビザの重要性

  • 英語での高度なコミュニケーション能力は必須です。特に、会議、交渉、資料作成などでの実践的な英語力が求められます。

  • 就労ビザの有無は採用可否に直結するため、ビザ取得の可能性やスポンサーの有無も重要な判断材料となります。

生活面での適応力も必要

  • ニューヨークやサンフランシスコなど一部都市を除き、自動車通勤が前提となる地域が多く、運転免許の取得や車の所有が必要になるケースもあります。

  • フラットな組織文化の中で、上下関係にとらわれずに意見を述べる姿勢が求められます。

  • アメリカでは「セルフプロモーション(自己アピール)」が重要視される文化があり、自分の成果を明確に伝える力が昇進や評価に直結します。

  • 心理的安全性(Psychological Safety)を重視する企業文化も広がっており、率直な意見交換が歓迎される傾向があります。

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