海外転職における面接対策で、キャリアの棚卸しを経て、自己PR、自分の強み、弱み、志望動機など、一通り準備ができたら、下記の3つのポイントも押さえておくようにしましょう。
● 上司が望む部下像を印象付ける
● 「退職理由」をポジティブに変換する
● 聞きづらい質問の切り出し方
本記事ではこれらについて、一つ一つ解説していきます。
上司が望む部下像を印象付ける
海外転職における面接では、直属の上司となる人物がキーパーソンとして面接官になる事が非常に多いため、面接の際に「この人となら一緒に働ける」と相手に印象づける必要があります。求められているのは純粋な「人材」としての優秀さだけではなく、「部下」としての優秀さでもあるのです。
面接の場で気をつけるべきこと
原則として、会話のキャッチボールが成立することが絶対条件です。自身のアピールに躍起になって、覚えてきたPRポイントばかりを一所懸命に喋るのは悪印象です。実際の業務でも「個人プレーに走る危険人物候補」と捉えられてしまう可能性があります。面接官の質問の意図を正しく理解し、「いま何を聞かれているのか」を常に意識しましょう。
実績や実例をアピールする際にも、チーム内で与えられていたポジションと役割を明確にして、「手柄をひとりじめ」しないことも重要です。さらに、数字としての実績だけではなく、チームを円滑に機能させる気配り、上司・同僚に対する尊敬、ハードワークに対する前向きな取り組みも強調しておきたいポイントになります。個人として優秀なだけではなく、正しいフォロワーとして振舞える人材を、上司は求めています。
上司が望む部下像を印象付けるキーワード
下記は、「上司が望む部下像」「上司が嫌う部下像」の一例です。自身の場合に置き換えて、どのような部下と働きたいかを想像し、実際に部下になったつもりで面接に臨みましょう。
<上司が望む部下像>
・良識のある言動ができる。
・チームワークを重視する。
・協調性がある。
・仕事を任せられる。
・上司や仲間を立てる。
・ハードワークにも率先して取り組める。
<上司が嫌う部下像>
・報告、連絡、相談をしない。
・言葉遣いが悪い。
・自信過剰。
・自分の権利ばかりを主張する。
・個人プレーに走る。
・チームに対する帰属意識が薄い。
「退職理由」をポジティブに変換する
退職理由や転職理由は、面接の中でほぼ確実に問われます。スタンダードなポイントである以上、答え方を誤ると即、大きな減点材料となってしまいます。最もやってはいけないのは、前職の批判。上司への文句、人間関係のトラブル、待遇面の不満などを退職の理由にすると、「うちの会社でも同じことを繰り返すのでは?」と疑われ、特に転職回数が多い方の場合には、「本人に問題があるから長続きしないのでは?」との疑いを招き、大きく評価を下げてしまいます。
ネガティブな退職理由をポジティブな言葉に変換して伝えるには
初めての海外転職においては、この部分は国内転職に比べて伝えやすいのが一般的です。ただ、海外に転職した後、現地で別の企業にもう一度転職する場合には、充分に留意する必要があります。
ここでは具体的な例を挙げて、解説していきます。
例1:「人間関係が悪かった」
「全社を挙げての目標に、一致団結して取り組む御社のような活気ある環境で働きたかった」といった言い換えが良いでしょう。
例2:「仕事がつまらなかった」
「デスクの前で作業が完結する前職より、人と人とが毎日、顔を合わせて、信頼関係を築き上げる外回りの営業職で自分の能力を発揮したい」といった言い換えが良いでしょう。
企業が評価するのは「新しい会社ではこんなことをしてみたい・実現したい」という前向きな姿勢ですが、面接官も「人間」です。なにがしかの不満があるから転職を考えているのであり、転職理由がポジティブな要素だけでないことは充分に承知しています。
この質問の意図は、「実際の理由は何か?」だけでなく、「その状況をどう受け止めているか?」また「マナーやルールに即して表現できる常識やコミュニケーション力を備えているか?」ということだと捉えましょう。
聞きづらい質問の切り出し方
給与、勤務地、労働条件は、入社を決める前に絶対に確認すべきことです。ただし、面接の中では、上手に聞き出さないと入社意欲や仕事姿勢を疑われてマイナス印象を与えてしまう可能性が大きい、リスクポイントでもあります。
聞きづらい質問をする場合は、自分の都合や要求を前面には出さず、下記2つのポイントに留意してください。
質問をするタイミング・相手を見計らう
仕事内容、勤務時間、給与、休日休暇などは、面接の段階が進めば、企業側からひと通りの説明があるのが一般的です。最終面接を終えた後、オファー面談という時間が設けられ、オファー内容に絞って説明を受けられる機会も増えてきています。
逆に、評価の芳しくない応募者には、面接の中で、条件面での話題が出る事は稀です。そのため、面接時はまず、自己PRに努めること。面接官から条件説明がされるようになって始めて、不明点を確認できると考えておきましょう。
面接官が人事部の方の場合には、業務の詳細・実態を質問したり、マネジメント層の場合には処遇の細目を質問したりする方も、しばしばいらっしゃいます。面接相手に即して、「現場・業務内容」か「細かな処遇について」か、どちらが適しているのかを判断したうえで、質問できるとベストです。
意欲の表れとして聞く
単に「残業はありますか?」「出張は多いですか?」と端的に聞くと、残業や出張を嫌がっている印象を与えてマイナス評価になりかねません。「残業・出張にも対応できます」と前置きした上で、現状の参考事例を確認するようにしましょう。残業・出張以外の条件(例えば、リモート勤務の状況)についても、企業の基準に従う姿勢を見せた上で、事例を尋ねるとスマートです。
応募者にとって、処遇の確認をするのは当然と、面接官も理解はしています。ただ、いつ聞くのか?どういった聞き方をするのか?というポイントは非常にデリケートで、充分に気をつけるべきポイントです。
人材紹介会社を利用せず、自己応募で受けている場合は特に注意が必要です。面接において企業側からの条件提示が全くなかった場合には、ここでしっかり疑問点をクリアにしておきましょう。
人材紹介会社を経由して応募している場合は、逆に、リスクをとってまで面接内で無理に確認をする必要はありません。しっかりと担当のコンサルタントに自分の希望を伝えておけば、それをふまえた上での条件確認が可能です。
特に海外転職の場合には、渡航に際しての細かな確認も必要になってきます。面接の場では、今、対面している面接相手にしか分からないであろう質問を、純粋に心がけましょう。
いかがでしたでしょうか。
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